自動車整備士の受験資格と一級までの道のり | 自動車整備士の【専門学校 東京工科自動車大学校】

コラムCOLUMN

自動車整備士の受験資格と一級までの道のり

自動車整備士は三級から始まり、最上位に一級自動車整備士の資格があります。
これから自動車整備士を目指す人のなかには「せっかく自動車整備士になるのであれば一番上を目指したい」という方もいることでしょう。

しかしながら、一級自動車整備士はいきなり資格を取得することはできず、受験資格を獲得するための準備が必要になります。その条件のなかには実務経験も存在するため、直ぐに受験資格を獲得することはできません。そのため、一級自動車整備士になるためには、年単位での計画が必要となるのです。

そこで今回は、一級自動車整備士までの道のりについて解説をしていきます。
これから目指す人は、ぜひ参考にしてください。

一級自動車整備士とは

一級自動車整備士とは、国家資格である自動車整備士のなかでも最上位に位置する資格です。
一般的に自動車整備士の仕事は、二級の資格を保有していれば、分解整備を含め自動車整備の全般的な業務が行えると言われています。
その二級よりも上に位置する一級では、自動車の整備業務だけではなく他の自動車整備士を指導・管理する立場に就くことが可能です。また、近年増加している電気自動車や水素自動車、自動運転機能を有した自動車の整備に携われることができます。
一級を有していることは仕事の幅が広がるだけではなく、就職活動や就業条件でも有利になることも多いため、自動車整備士として働くのであれば目指し甲斐のある資格であると言えるでしょう。

一級自動車整備士になる方法

ここからは、一級自動車整備士になる方法について紹介していきます。
一級の取得を目指している方は、自身の状況と照らし合わせ、最善な方法を選択していきましょう。

受験資格を満たす

一級自動車整備士の受験資格を得るためには「学校を修了する方法」と「実務経験を必要年数積む方法」の二通りの方法があります。
それぞれの詳細については以下の通りです。

方法 条件
学校を修了する 国土交通省が一種養成課程と定める専門学校や大学において、整備士養成課程を受講して修了すること
実務経験を必要年数積む 二級自動車整備士に合格後、実務経験を3年以上積むこと

上記、どちらかの条件を満たすことで一級自動車整備士の受験資格を満たすことができます。
一種養成課程の学校に入学するためには、二級ガソリンまたは二級ジーゼルの資格試験に合格し、実務経験が3年以上である必要があります(二級ガソリン、二級ジーゼルどちらも保有している場合は2年以上)。
入学条件を見ると、実務経験を積む方が学校を修了するよりも早く一級の受験資格を獲得できそうに見えます。
しかし、未経験・無資格の状態から自動車整備の現場に就職しなければなりません。そこから実務経験1年以上で三級受験資格、三級合格後に実務経験を3年以上積み二級受験資格、二級合格後にさらに3年以上の実務経験を積む必要があります。
つまり、学校に通わず一級自動車整備士の受験資格を獲得するためには、最長で7年かかるため、学校を修了する方法に比べて時間を要するのです。

一方、専門学校や大学を卒業すると、受験資格だけではなく、学歴を得ることができます。現在も、就職をする際の雇用条件として「4年制大卒」なのか否かで、初任給が大きく異なります。また、就職後の昇進などにも大きく影響するほか、転職する際にも学歴がある方は潰しが利くといったメリットがあるのです。

受験資格の獲得後、「筆記試験」と「実技試験」「口述試験」に合格する必要があります。それぞれの内容は以下の通りです。

筆記試験に合格する

一級自動車整備士の筆記試験範囲は以下のようになっています。

①構造、機能及び取扱法
②点検、修理、調整及び完成検査の方法
③整備用機械に関する初等知識
④整備用の試験機、計量器及び工具の構造、機能及び取扱法
⑤材料及び燃料油脂の性質及び用法
⑥図面に関する一般知識
⑦保安基準その他の自動車の整備に関する法規

自動車整備士の資格試験の範囲は、一級から三級まで大きく異なることはありませんが、求められる内容の深さに違いがあります。
三級では「初等知識」、二級では「一般的な知識」、一級では「取扱法」となるため、より専門的な知識が求められ、難易度は上がっていくのです。

技能試験に合格する

一級自動車整備士の試験範囲は以下のようになっています。

①基本工作
②点検、分解、組立て、調整及び完成検査
③修理
④整備用の試験機、計量器及び工具の取扱い

技能試験においても、筆記試験と同様に試験範囲は各級に変わりはありません。しかし、使用する工具の種類が増え、出題内容も複雑となることから難易度が上がっています。

ただし、この技能試験においては免除されるケースがあり、その条件は以下のようになっています。
・一種養成課程を卒業して2年以内
・自動車整備振興会の講習を修了して2年以内
この条件を満たしている場合、技能試験が免除され筆記試験合格のみで一級自動車整備士の資格を獲得することができます。

二級自動車整備士に合格しなければならない

前述の通り、一級自動車整備士の受験資格を獲得するためには、まず二級自動車整備士に合格しなければなりません。
二級自動車整備士になるための方法について、以下に簡単にまとめます。

二級自動車整備士になる方法

二級自動車整備士になるためには、一級自動車整備士と同様に「学校を修了する方法」と「実務経験を必要年数積む方法」があります。
それぞれの詳細は以下の通りです。

方法 条件
学校を修了する 国土交通省が二種養成課程と定める専門学校や大学において、整備士養成課程を受講して修了すること
実務経験を必要年数積む 三級自動車整備士に合格後、実務経験を3年以上積むこと

なお、二級養成課程に入学するためには、「高等学校以上を卒業」「実務経験2年以上」といった条件が必要となるので、忘れずに確認をしておきましょう。

まとめ:一級自動車整備士になるためには時間がかかる

  • 一級自動車整備士は整備だけではなく、マネジメントや管理の仕事ができる
  • 一級自動車整備士を目指すには「学校を修了する方法」と「実務経験を必要年数積む方法」の二種類がある
  • 一級自動車整備士になるためには二級自動車整備士に合格する必要がある
  • 条件を満たすことで技能試験が免除されるケースがある
  • 未経験、無資格から目指す場合7年かかる

一級自動車整備士になるためには、二級自動車整備士に合格し、そこから4年制の一種養成課程を修了するか、実務経験を3年以上積む必要があります。
そのため、一級自動車整備士になるためには年単位での時間を要し、簡単にはなることができません。
一級自動車整備士を目指す際は、自身の状況に合わせて最短となる方法を選択していくようにしましょう。

当校は、自動車業界の幅広い人材ニーズに
応えるために、世界水準の技術者を育成します。

世界の最先端技術の結集とも称される自動車。常に進化を続ける自動車業界を、20,000名以上の東京工科自動車大学校の卒業生が支えています。業界が求める高度教育で「選ばれる」人材を育成し、学生一人ひとりの夢を実現します。

ホーム > コラム > 自動車整備士の受験資格と一級までの道のり