一級自動車整備士とは
自動車整備士は、自動車整備に関する高度な技術や知識を生かして自動車の修理・整備・点検などを行う仕事です。
そのなかでも1級自動車整備士は、自動車整備士の国家資格の中では最上位の資格にあたり、「1級小型自動車整備士」の資格所有者のことをさします。
自動車ディーラーや整備工場、自動車部品メーカーなどで活躍しますが、自動車整備士全体のうち、1級自動車整備士の資格を持っている人は数%ほどしかいないといわれています。
今後は電気自動車や自動運転車など、新しい技術が開発・利用されると見込まれるなかで、新しい車の整備に対応するために、より需要が高まっていく資格と考えられています。
一級自動車整備士の仕事内容
一級自動車整備士の主な業務内容
(1)故障の診断
自動車の故障原因を特定し、修理するための方法を考えます。
(2)修理・整備
エンジン、ミッション、サスペンション、ブレーキ、タイヤなど、自動車の各部品の修理・整備を行います。
(3)点検・設定
車検などの定期点検を行い、必要に応じて調整や設定を行います。
(4)カスタマイズ
お客さまの要望に応じて、自動車にさまざまなカスタマイズを行います。
(5)カウンセリング
修理や整備についてアドバイスを行い、安全な運転やメンテナンス方法などを教えます。
一級自動車整備士の需要
一級自動車整備士は、総重量8トン未満、最大積載量2トン以下、乗車定員10名以下の普通自動車と四輪・三輪の小型自動車、軽自動車が整備できる資格です。
2級・3級とは違い、ひとつの資格ですべてを単独で整備できます。
1級自動車整備士になるには最先端の技術や環境問題に対する知識も求められます。
今後は電気自動車、水素自動車など、従来のガソリン車やディーゼル車以外の新しい自動車が次々開発され、普及していくと考えられます。
そうした際に、どのような車でも対応できる1級自動車整備士資格保有者の需要は伸びていくと考えられます。
2002年に開始された比較的新しい資格のため、まだ資格者は少ないですが、今後はさらに資格取得者が増えていくでしょう。
一級自動車整備士になるには
一級自動車整備士の学校
一級自動車整備士は、自動車整備士資格の中でも最上位の資格です。
そのため一級自動車整備士になるには、二級自動車整備士取得後、整備士として3年以上の実務経験を積まなくてはなりません。
ただし、自動車整備士の養成課程がある学校を卒業していれば、卒業と同時に受験資格が得られます。
専門学校などの「一級整備士コース」を履修して卒業すれば、一級自動車整備士の受験資格が得られ、実技試験も免除されます。
このように自動車工場で働きながら経験を積み、独学で勉強をする方法もありますが、専門学校に通った方が短期間で受験が可能であり、実技試験免除などのメリットも多いです。
一級自動車整備士の資格
1級自動車整備士の登録試験は1年に1回あり、筆記試験は3月、口述試験は5月、実技試験は8月に行われます。
筆記試験は全50問を100分、口述試験は全2問10分で実施されます。
試験内容は、自動車整備士に必要な自動車の知識や技術に加え、故障が起きた際の診断方法、整備の際に必要な安全管理や環境保全など、最先端の技術や社会問題なども含まれます。
実技試験は、全4問40分で行われ、点検や分解、組み立てなど基本的な技術に加え、
整備用の試験機、計量器と工具の取り扱いなど幅広いジャンルから出題されます。
実技試験の難易度は高く、どのようなテストが行われるかはわからないため、臨機応変に対応できる技術が求められます。
年度によっても差はありますが、平均合格率は40~60%を推移しています。