自動車検査員とは
自動車検査員は、自動車整備士が自動車を整備したあとに、検査や車検が適切に行われているか、不備がないか、国の基準に適合しているかなどをチェックする仕事です。
万一、自動車に不備があれば事故につながりかねないため、自動車検査員は自動車に乗る人の命を守る大切な役割を果たしており、公務員の業務を代行する「みなし公務員」になります。
自動車を整備するには自動車整備士資格があればできますが、自動車検査を行うためには「自動車検査員」という資格が必要です。
自動車検査員の主な活躍の場は整備工場で、「民間車検場」といわれている「指定工場」には、必ず有資格者を一人以上配置しなければならないきまりになっています。
自動車検査員の仕事内容
自動車検査員の主な業務内容
(1)完成検査
自動車整備士が整備した自動車が、車検の保安基準に適合しているか、最終的な合否を判断します。
その結果を受けて、必要な証明書や書類を作成します。
(2)検査に関する指導・監督
自動車検査員として経験を積んだ人は、新人の指導や業務の監督を行うこともあります。
また、車検時に異常やトラブルが見つかった場合、自動車を所有している人に説明やアドバイスを行います。
(3)書類の作成・管理
車検に関わる資料を作成し、管理するのも重要な役割です。
(4)設備管理
車検で使用する工具や設備などの管理も自動車検査員が行います。
定期的に点検・検査を行い、正確な検査が行える状態かどうかをチェックし、必要があれば改善を行います。
(5)法令や通達の把握・反映
車検の基準は法令や通達によって変更がある年もあります。
すぐに対応できるように細心の情報に気を配り、把握しておく必要があります。
自動車検査員の役割
車検場は正式には「指定整備工場(民間車検場)」とよばれ、車検だけでなく、自動車の検査や修理も行っていることから、整備や検査を行える人が常に在籍していなければなりません。
指定整備工場では、必ず有資格者を一人以上配置しなければならないきまりになっており、ニーズは非常に高くなっています。
また車検の検査業務は、国が行うべき業務を民間の整備工場が代行しているとみなされ、自動車検査員は、公務員に準じる「みなし公務員」として扱われます。
自動車検査員になるには
自動車検査員の学校
自動車検査員になるには、二級または一級整備士の資格が必要です。
そのため将来自動車検査員を目指すのであれば、自動車について専門的に学べ、卒業と同時に自動車整備士資格取得が可能な専門学校などに進学するのがよいでしょう。
自動車整備工場で働きながら資格取得を目指す場合、実務経験が必要となり取得までに時間がかかってしまいます。
一方、専門学校の多くは2年で二級自動車整備士、4年コースに通うと、卒業時に難関資格の1級まで取得できるため、効率的に資格を取得することができます。
自動車検査員の資格を取得するには
(1)自動車整備士の資格を取得する
自動車検査員になるためには、まず二級または一級整備士の資格を取得する必要があります。
自動車整備士の資格を取得するには、自動車整備について学べる専門学校を卒業する方法、整備工場で実務経験を積みながら取得する方法があります。
(2)整備主任者として経験を積む
自動車整備士の資格取得後は、指定自動車整備業の指定を受けている整備工場で、整備主任者として一年以上実務経験が必要です。
(3)自動車検査員教習を受講し、自動車検査員教習試験に合格する
整備主任者として一年以上勤務したのち、自動車検査員教習を受講し、自動車検査員教習試験に合格することでようやく自動車検査員になることができます。
合格率は50~70%で、全体の8割以上各章の責任点が6割以上となっているため、国家資格のなかでは合格率が高い資格といえます。