AI普及の中で、学校に通い自動車整備士になるメリットは?
AIと聞いても具体的に何なのか?を説明はしづらいけれど、最近よく聞くようになって名前はご存知なのではないでしょうか?
映画などでよく見られる人間のように自ら考え行動するロボットのようなものだと考えるとわかりやすいかと思います。
他にも、自動運転技術、拡張現実(AR)を活用したスマートディスプレイ、垂直離着陸の車など、技術革新が進んでいる自動車業界。
これらの技術の発達により、これから人に求められる仕事の内容が大きく変化しようとしています。そのひとつが、「人ではないと出来ない仕事は何か?」ということです。
参考資料として、厚生労働省より以下の調査報告資料がホームページで公開されています。
今後の雇用政策の実施に向けた現状分析に関する調査研究事業(平成28年度)の報告~IoT・ビッグデータ・AI等の普及・進展による雇用・労働への影響を検証~
資料では、「10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業で、人工知能やロボット等への代替が可能」といった内容が発表されています。
今後、私たちは自らの進む道を改めて考え、時代の変化に対応していく必要が増していることは明白です。
では、人口知能=AIがどのように自動車整備士の仕事に影響を与えるのか、今後どのような点に気をつけていけば良いのかをこれからお伝えしていきます。
技術の発達と共に、ハイブリッド自動車、電気自動車などデジタル技術の要素が増えた自動車が度々見られるようになってきました。
こうなると、自動車整備士に求められる技術・知識も合わせて変化していくのは当然です。
自動車整備士の仕事は、多くのパーツが組み合わさって出来ている機械=自動車のどこにトラブルが発生しているかを発見し、修理する仕事である以上、基本的には自動車が存在する限り需要はなくならないと考えられます。
変化していく部分としては、その”トラブル”の発生箇所になります。
つまり、「デジタル技術の発達=自動車の仕組みの変化」なので今までの考え方ではトラブルに対処できなくなる可能性が出てくるということです。
自動車整備士の基本的な仕事は車のトラブル改善です。そのため、まずは今までに多い修理箇所がどこなのかを明らかにしましょう。JAFより発表されている以下の資料を参考にすると、「過放電バッテリー」「破損・劣化バッテリー」といった”バッテリー”に関するトラブルが特に多いことが分かります。
出典:一般社団法人日本自動車連盟(JAF) データで見るロードサービスより
過放電バッテリーとは、ライトの消し忘れや長期間運転しないことで充電がなくなってしまったような状態を指します。
これは、AI技術などの発達により事前にトラブルを抑制することは一部で可能かもしれませんが、「電気を溜めておく」という点を考えると根本的な解決=修理しなくても良い状態にはならないでしょう。
ここまでに挙げた「破損・劣化バッテリー」についても、AI技術などのソフトウェア面ではなく「部品の消耗」のため、AI技術の発達が影響して”整備箇所の減少=仕事がなくなる”ことには繋がりづらいと言えるのではないでしょうか。
では、AI技術の発達で自動車整備士にとっての懸念は何でしょう?それはやはり、車の仕組みが変化したことによる影響が大きいと考えられます。
つまり、車の電子化により制御や診断がシステムで管理できるようになってきている点です。
AI技術のトレンドが来る前は、車体の各箇所の最適な調整といった職人的な仕事が必要とされてきましたが、基本的には電子制御のためメンテナンスも簡単に済んでしまうようになりました。
自動車自体は物理的に存在するもので、各部品を組み合わせて完成されるもののため自動車整備の仕事はなくならないと考えられますが、整備の行い方や考え方が変化していくのは間違いないでしょう。これは、自動車整備に限らず他の業種にも言えることです。
今までのやり方だけでは、一台ずつしか手をつけられないので効率が悪く、システムによる効率化が基本となってくる日も遠くありません。
システムだけでは対処が難しい整備があってもパーツの交換で簡単に済んでしまいます。
しかし、車の整備はわざわざ遠征してまで修理を出すことはあまり考えにくいです。それは、修理に出そうとしているなら途中で故障しないように近くが良いことや往復の時間、交通費を考えれば分かりますよね。
つまり、システムが変わって変化を求められることはあっても「場所」という強みは残るということです。
ただ、場所の強みがあっても購入者がいなくては仕事になりません。
以下では新車登録車の推移が発表されていますが、2018年以降は登録車数が減少傾向にあります。
一般社団法人 日本自動車販売協会連合会
2018年以降減少傾向 新車・年別販売台数 登録車合計
では、購入数=流通数が減少していくにあたってどう変化していく必要があるのかを次でお伝えしていきます。
ここまでに、国内の新車流通量が減少傾向にあるとお伝えしました。
人口減少、所得の二極化、スマートフォンの普及によるライフスタイルの変化が起こっている現在の日本国内では、今までのように自動車を1世帯1台以上持つという感覚が変化してきているのかもしれません。
そのため、今後の自動車需要は以下の層が残りやすいと考えられます。
働き方の変化だけでなく、購入者の変化も考える必要があるのが分かったところで、具体的には「どういったところで」「どういった働き方を」していけば良いのか?を次にお伝えしていきます。
ここまでにお伝えしたように自動車の販売台数は減少します。
このため、カーシェアリングサービスの企業などの「一般客を相手にするのではなく、社用車を多く扱うようなビジネスを営む企業を相手にする」整備士は、まず候補として考えておくと良いのではないでしょうか。
また、カスタムカーショップなどで「カスタマイズのことが分かり対応できる整備士」など、整備士を軸に新しい価値を付けていくことが、市場価値を高める上で大切になります。
こういった意味でも最新技術に対応できる整備士は今後価値が高まっていくでしょう。
スペシャリスト:高級車専門、F1など高い知見と技術力へ特化した整備士
ジェネラリスト:整備士を軸に他の強みを付けた柔軟性のある整備士
ぜひ、自身の思い描く理想やタイプを考慮し、じっくりと将来を検討してみてください。
では自動車整備士の専門学校では具体的に何を学べば良いのでしょうか。
自動車整備士のカリキュラムがある学校であれば、自動車整備士になることは可能です。しかし資格を取っただけではお金は入りませんし、今後どのようなキャリアを歩んでいくのかを見通して学習する必要があるでしょう。
例えば、東京工科自動車学校では資格取得のための勉強以外に、「プロジェクトセミナー」という実践力を鍛える選択授業を開催しております。
中野校プロジェクト例)
世田谷校プロジェクト例)
上記のプロジェクトのように当校では、特定の分野のスペシャリストになりたい人や、幅広い分野に精通しているジェネラリストになりたい人など様々なキャリア形成が可能な環境を提供しております。
技術の発達により、これから人に求められる仕事の内容が大きく変化しようとしている自動車業界。資格取得ためだけに大学に通うのでなく、自動車のスペシャリスト・ジェネラリストになって、より楽しい人生が歩めるキャリア形成を考えてみてはいかがでしょうか。
当校は、自動車業界の幅広い人材ニーズに
応えるために、世界水準の技術者を育成します。
世界の最先端技術の結集とも称される自動車。常に進化を続ける自動車業界を、20,000名以上の東京工科自動車大学校の卒業生が支えています。業界が求める高度教育で「選ばれる」人材を育成し、学生一人ひとりの夢を実現します。