自動運転の実用化にはAIが核!仕組みや実用化までの段階を紹介 | 自動車整備士の【専門学校 東京工科自動車大学校】

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自動運転の実用化にはAIが核!仕組みや実用化までの段階を紹介

ここ数十年で驚くほどの発展を遂げてきた自動運転。1930年代にニューヨークにて未来の自動運転システムの展示からスタートし、今では特定条件下での自動運転の実用化まで漕ぎ着けました。

では、そんな自動運転はどのような仕組みで成り立っているのでしょうか。今回は、自動運転の仕組みやレベル分けなどをご紹介します。

  1. 自動運転とは?
  2. 自動運転はどこまで実用化が進んでいる?
  3. 自動運転の仕組み
  4. 自動運転にはAIが欠かせない!
  5. 自動運転車を見据えた特定整備制度も

自動運転とは?

自動運転とは、ハンドルを操作することなく乗り物が走行する技術のこと。航空機などでも導入されていますが、現在は自動車における自動運転技術の発展が注目されています。

クルマの自動運転が実用化されると、最終的には人間による運転が完全になくなり、システムがすべての運転操作を行えるようになるといわれています。運転手の過失による事故が減少することが予想されています。

自動運転はどこまで実用化が進んでいる?

では、そんな自動運転は現在どこまで実用化が進んでいるのでしょうか。自動運転技術は、国土交通省が定める「自動運転車の定義及び政府目標」によって5段階のレベルに分けられています。

レベル1は運転支援を指します。システムがハンドルを操作し運転手を支援する技術で、前を走るクルマにぶつからないように自動的に速度を調整する「ACC(アクティブクルーズコントロール)」や、車線からはみ出さないようにハンドルの向きを調整してくれる「LKAS(レーンキープアシストシステム)」、ぶつからないように自動で止まる「自動ブレーキ」などがこれに当たります。

レベル2は部分運転自動化で、システムが加速・ハンドル操作をすることで運転手を支援します。前のクルマに付いて走ったり、前の車を自動で追い越したりする機能が搭載されます。

レベル3は、条件付き運転自動化で、高速道路のみ・晴れの日のみなど特定の条件下でシステムが運転を操作します。レベル2までとレベル3以降の大きな違いは、主体が人ではなくシステムになること。特定条件下ではドライバーは前を見ていなくてもよくなり、運転における負荷を軽減できることが期待されています。ただし、システムがうまく作動しなかった場合などは、ただちに対応することが求められます。

レベル4は、高度運転自動化です。特定条件下における完全な自動運転のことを指し、システムが運転を担う状態のことを表します。政府は2025年を目処に高速道路でのレベル4の自動運転の実現を目標として掲げています。

レベル5は、完全運転自動化です。システムが常にすべての運転操作を行うレベル5が、定められた段階の最上位となっています。

現状は、レベル3の型式指定を国土交通省から取得したホンダの「レジェンド」が2021年3月5日(金)に発売され、レベル4・レベル5の実用化はまだ進んでいません。

自動運転の仕組み

自動運転車が搭載している技術は、実は国土交通省が定める「自動運転車の定義及び政府目標」によって5段階のレベルに分けられているのです。

自動運転はどのような仕組みで成り立っているのでしょうか。自動運転システムは、下記の要素などから成り立っています。

  • ローカライゼーションとマッピング
  • パーセプション(認識技術)
  • プレイディクション(予測機能)
  • プランニング
  • コントロール
  • コーディネーション
  • 外部ヒューマンマシンインターフェース(e-HMI)

複数のシステムを相互に機能させることにより、置かれている環境を理解し、情報に基づく意思決定を行い、目的地まで安全に移動できるようにしています。

ローカライゼーションとマッピングでは、車両がどこに位置しているかを判定します。

パーセプション(認識技術)は、カメラ・光を使った検出技術であるLIDAR(ライダー)レーダー・GPSなどのGNSS(衛星測位システム)・慣性航法ユニット(INU)などの車両センサーのデータと、マッピングとポジショニングシステムから収集した情報を組み合わせ、車両の状況と周囲の環境、障害物などを認識する機能です。

プレイディクション(予測機能)は、他の車両や歩行者、自転車などが現れそうな場合の自動画像化を支援する機能。

プランニングは、車両の安全な走行経路を決定する機能です。複数のプランを提示し、最終的に適切な選択肢を提案しています。そしてコントロールが、プランニングシステムが設定する進路を実際に走行する機能です。

コーディネーションは、他の車両や道路のインフラ、クラウドデータベースと通信する機能のこと。外部ヒューマンマシンインターフェース(e-HMI)は、人と車両とが正確で確実な情報のやり取りができるようにする機能のことを指しています。

引用:TOYOTA「7.自動運転の構成要素」https://global.toyota/jp/detail/18793042

自動運転にはAIが欠かせない!

上記のようなシステムを相互で機能させる基盤の中核となっているのが、AIと呼ばれる「人工知能」。自動運転車における「脳」として重要な部分を大きく担っています。

自動運転に関わるあらゆる情報やデータを収集・照合し、目的地に向けてどのような経路を進むかをプランニングし、実際に進路を走行する判断の司令を出すのがAIの役割。

さらに、自動運転車のAIシステムは、複雑なデータに基づいてリアルタイムで判断を行うため、継続的で途切れることないデータの流れと指示が必要になるのです。

自動運転車を見据えた特定整備制度も

各メーカーやIT企業、ベンチャー企業が開発競争に乗り出し、目指す先は「どんなところでも完全自動運転が実現する」レベル5の機能を搭載したクルマが走る世界。とはいえ、それを実現するためには、法改正やルールの変更が必要になります。

例えば、自動運転車で事故が起きた場合の責任の所在など、現状のルールではカバーしきれない部分が多くあるのです。また、走行する際の法だけではなく、整備業界に関わる法にも大きな影響があります。

旧来の道路運送車両法は、分解整備は第49条第2項で「原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、緩衝装置又は連結装置を取り外して行う自動車の整備又は改造であり国土交通省令で定めるもの」とされており、先進技術にかかる装置が対象となっていないものでした。

2019年5月に国会で可決された改正法では、分解整備を特定整備と改め、「原動機、動力伝達装置、走行装置、操縦装置、制動装置、緩衝装置、連結装置又は自動運行装置を取り外して行う自動車の整備又は改造その他のこれらの装置の作動に影響を及ぼすおそれがある整備又は改造であり国土交通省令で定めるもの」と定義し、自動運行装置や先進的な装置も整備の対象になったのです。

このように、自動運転車の実用化を目指し、さまざまな方面で整える動きが広がっています。

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