自動車整備専門学校のカリキュラムは?具体的に何をやるのかをご紹介
全国に複数存在する専門学校。当校をはじめ、どの専門学校も、より良い自動車整備士を育成するために日々奮闘しております。そこで重要となるのが、「自動車業界の幅広いニーズに応えられる人材」を育成するためのカリキュラム。様々な専門学校が独自の強みを生かし、様々な色を持ったカリキュラムを編成しております。
しかし受験生の方々は、自動車整備士のカリキュラムをイメージするのは難しいのではないでしょうか。当校では、今まで義務教育や普通科の高校からご入学される場合も多いです。今までは、あくまでも勉学がメイン。実習は体育・美術・家庭科・音楽などしかやっていない人も多いでしょう。自動車整備士のカリキュラムをイメージできないのは無理もありません。
そこで今回は、当校のカリキュラム・年間スケジュールを参考に、自動車専門学校のカリキュラムを紹介していきたいと思います。
まずほとんどの専門学校は自動車整備科【2年制】、自動車整備科【4年制】を用意しています。なぜ異なる年数を用意しているのか。それは、2級自動車整備士を目指す場合は【2年制】、もしくは一級自動車整備士を目指す場合は【4年制】と、取得する資格によって学ぶ内容と年数が法律で定められているためです。
この2学科のカリキュラムを説明する前に、2級自動車整備士と一級自動車整備士を学ぶメリット・デメリットについて解説します。資格の内容は今後のキャリアを形成する上で大事なポイントなので。
まずは2級自動車整備士。自動車整備科【2年制】で取得することができる資格です。この学科のメリットとしては、2年間で自動車業界の即戦力人材になれるということ。もちろん専門性の高い一級自動車整備士にしかできない仕事もあるのですが、2級自動車整備士の資格があれば普通車はもちろんのこと、ほとんどの自動車整備が可能です。そのため、一級自動車整備士になって専門性を高めるよりも、もっと学費を抑えて即戦力として働きたい方は自動車整備科【2年制】がオススメです。
反対に、自動車整備科【2年制】のデメリットを挙げるとしたら、専門性の高い自動車整備はできないことでしょう。即戦力人材を育てることが大前提になるので、仕方がないことですが、電気自動車やハイブリット自動車などは整備することができなくなります。後に学校に通い直して身に着ける方法もありますが、大人になればなるほど、忙しい仕事との両立する難易度が上がるので、可能であれば年齢が若いうちに一級自動車整備士は取りたいと思う人もいるでしょう。
次に一級自動車整備士。自動車整備科【4年制】で取得することができる資格です。この学科のメリットは、4年間かけて高度な自動車整備技術を学べること。現代ではハイブリット車をはじめ、電子制御技術やモータ制御技術など、どんどん技術が進歩しています。その新技術に対応できるために、4年間かけてみっちり学ぶことで今後のキャリアの選択肢が格段に広がります。また当校では、プロ仕様の専門的なツールも豊富に用意しており、専門技術を実習で学ぶ環境には拘っています。
反対に自動車整備科【4年制】のデメリットは、学ぶための期間が長く・学費も高いということ。高度な専門性を身に着けるには仕方がないところです。本当に即戦力で働く必要があるのであれば【2年制】をオススメします。しかし、もしボトルネックが学費だけの場合、当校では奨学金制度や教育ローン制度を用意しております。奨学金で学費が解決できるケースも多いので、詳細に吟味してから学科を選ぶようにしましょう。
それでは具体的に学科別のカリキュラムをみていきましょう。今回はカリキュラムのイメージをわかりやすくするために、各学科が定めている「人材目標」を整理→実技の大枠を説明→実技の詳細を説明、の順番で説明していきます。
まず最初に自動車整備科【2年制】のカリキュラムを覗いていきます。
このコラムでは紹介しきれないカリキュラムもありますので、気になる方は資料請求してみたり、オープンキャンパスに参加して詳しく調査してみることをオススメします。
●人材目標
自動車業界の主軸として活躍できる技術者
●実技の大枠
①自動車の整備作業を安全かつ正確におこなうことができる
自動車の基本性能は「走る」「曲がる」「止まる」です。基本性能に関わる分解整備を安全かつ正確にできる技能を身につけるには、単に作業要領だけでなく、構造・機能に関わる知識が必要となります。自動車整備科では、決められた作業ができるだけでなく、自ら思考できる整備技術を身につけた技術者を目指します。
②自動車に必要な法規を理解し、法定整備ならびに検査業務を実施できる
自動車を公道で走らせるためには、保安基準に適合している必要があります。自動車業界に携わりその職務を遂行するには、自動車に関わる法律の知識が必要であり、それらを理解し、活用することが技術者として重要な事項と捉えています。
③診断機器の使用法を理解し、故障探求整備をおこなうことができる
電気回路や制御用の電子回路に関わる診断・整備技術を身に付けた技術者は、新機構を備えた自動車整備にも対応ができるため、今後の自動車業界で必要な人材となり得ます。
●カリキュラム詳細
1年目
・工作・加工作業
・ブレーキの点検整備
・ハイブリッド自動車の整備
1年目では自動車整備士や技術者に欠かせない、ものつくりの基本を学びます。金属を設計図通りにつくる、という初歩的な作業から、安全性や走行性の向上に欠かせない「ブレーキ」のしくみ、ハイブリッド自動車を使用した独特な整備方法、低圧電気取り扱い、救急救命の講習など、初歩的な整備作業を実習します。
2年目
・電子制御燃料噴射装置の整備
・自動車のトラブルシュート
・自動車検査実習
2年目からは比較的高度な研修が続きます。専用のベンチエンジンを使用して、専用機器でECU信号を解析などをはじめ、実習車のトラブルシューティング、点検・検査実務に必要な作業の流れや各種検査機器の扱い方などを実習します。
次に、自動車整備科【4年制】のカリキュラムを覗いていきます。
こちらもコラムでは紹介しきれないカリキュラムもありますので、気になる方は資料請求してみたり、オープンキャンパスに参加して詳しく調査してみましょう。
●人材目標
自動車業界の次世代を担う高度な診断技術を身につけた技術者
●実技の大枠
①最新の制御技術に対応し、専用の測定機器を用いて論理的に故障の特定ができる。
環境対応車、先進安全自動車など自動車の進化に伴いより高度な整備技術が要求されます。一過性の故障や一定の条件が揃わないと症状が発生しない診断は困難を極めます。これらに対応できる確かな知識と技術、そして粘り強く課題に取り組み成果に結びつけられる力をつける事が必要です。また高い技術力と同等に簡潔で的確な説明能力が無ければお客様や社内での信頼を得ることはできません。
②実務を経験することにより実践的な整備、検査作業が実施できる
2級課程で取得した整備技術を基に、スキャンツール等を使用し車両各部の良否判定、定期点検記録簿の作成ができるだけでなく、調整や交換作業が必要な項目を見極める力を養います。また、保安基準適合に対する適切な判断ができる高度整備技術者を目指します。
③外部診断機を用いて電子制御装置のセンサ、アクチュエータの良否判定ができる
コンピュータで制御された装置の微小な異常現象は機械的な点検整備だけでは捉えることが困難です。目に見えない異常や一過性の故障を外部診断機等を用いて事前に発見する技術を身につけます。
●カリキュラム詳細
1年目~2年目
・自動車整備実習
定期点検や車検整備など車両の総合的な整備を学習します。さらに点検だけではなく、電装品の構造や車両からの脱着作業、エンジンの測定作業など専門的な作業の習得へと進みます。
3年目
・エンジン電子制御装置整備
・ハイブリッド自動車の整備
・エンジン・シャシ性能計測
・オートエアコン実習
最新の自動車は、環境性能と走行性能を両立させるためコンピュータが使われています。電気・電子回路の測定技術、電子制御装置の高度診断技術などをオリジナル教材で学びます。また、急速に普及しているハイブリッド自動車は電気モーター、具合を的確に評価するための装置であるシャシ・ダイナモメータ、車載状態では見ることができないエアコンの動きなど、高度な実習が続きます。
4年目
・自動車の故障診断
最終年度では実習が続きます。自ら自動車の故障原因を調査するために、診断機器や故障情報を読み取るための外部機器の使い方を学びます。
以上、当校の自動車整備科【2年制】【4年制】のカリキュラムでした。おわりにお伝えしたいのが、ホームページだけではなく、自分の足で情報を集めて吟味して欲しいということ。当校のホームページにもカリキュラム情報を載せていますが、あくまでも一部分ですし、実際の学習環境などはホームページ上では表せないのです。特に当校では実習を大事にしていますので、今回のカリキュラムをみて気になった方は是非ご連絡いただければと思っています。
しっかり情報を吟味して後悔のないキャリアを歩んでください。
当校は、自動車業界の幅広い人材ニーズに
応えるために、世界水準の技術者を育成します。
世界の最先端技術の結集とも称される自動車。常に進化を続ける自動車業界を、20,000名以上の東京工科自動車大学校の卒業生が支えています。業界が求める高度教育で「選ばれる」人材を育成し、学生一人ひとりの夢を実現します。